最近“食品ロス”という言葉をよく耳にします。外食産業や食品企業さんが取り組むこと、というイメージがある方も多いかもしれませんが、各家庭でできることはあるんです。今回はサステナブル料理家の佐々木綾子さんにご家庭で簡単に“食品ロス”を減らすことができる裏技のあれこれを聞いてきました。是非皆さんも“食品ロス”を減らして、家計にも地球にも優しくて楽しいギルトフリーなお料理を始めてみませんか?
ー初めに「食品ロス」とは何か改めて教えてください。
「食品ロスは実は『もったいない』だけではなく、様々なことに悪影響を及ぼすんです。例えば、濡れた生ゴミを燃やすのは普通の可燃ごみを燃やすよりもたくさんのエネルギーが必要となり、多くのコストがかかります。(その大部分は税金でまかなわれています。)そしてCo2などの温室効果ガスも排出します。
その他に、食糧不足や貧困問題は私たちに地球の裏側の関係のないこと、というイメージがありますが、“食品ロス”が大きく関係しているんです。日本の食品自給率は低く、沢山食品を輸入していますが、そうして輸入された限られた食料資源を私たちは捨てていることになります。また、輸入するにも資源はかかります。私たちが捨てなければ、輸入量は減りますし、食料不足や貧困問題の改善に繋がりますよね。」
ー“食品ロス”、悪影響が沢山ありますね。逆に減らしていくことでどんないいことがあるか教えて下さい。
「まずは環境負荷を減らすことができます。無駄な税金がかからなくなりますし、温室効果ガスの発生も抑制できます。また、貧困課題の解決に少し近づきます。
またそういった大きなことだけでなく、ゴミが軽くなったり、家計の節約になったりとより間近な実感もできるかと思います。例えば、京都市の調査(京都市食品ロスゼロプロジェクト)によると、1世帯(4人家族を想定)では、1年間で6万円捨ててしまっているというデータもあるようです。そのお金でちょっと外食することもできますよね。」
ー6万円!減らすことで様々なメリットがあることに気付きました、、佐々木さんがこの問題に目を向け始めたきっかけを教えて下さい。
「元々私は飲食店や外食産業で働いていたので、食べ物を捨てるということが原価に関わってくるという意識がありました。その後料理教室を始めた時に生徒さんから調理工程で出た廃棄物を見て『それはもう捨ててしまうの?』『後で他のことに使えないの?』とご質問をいただく機会が多く、そこで“食品ロス”について更に目を向けるようになりました。やはり実際に生活していて、まだ食べることができるかもしれない物を捨てることに罪悪感を感じる方は多いんですよね。活用できる部分は活用して、料理がもっとギルトフリーなものになったら、嬉しいなと思い、より詳しく“食品ロス”について調べるようになりました。」
ー私も料理をもっとギルトフリーなものにしていきたいです!今日から少しずつ各家庭で“食品ロス”を簡単に減らしていくには、まずはどんなことから始めたら良いか教えて下さい。
「家庭の食品ロスには大きく分けて3種類あります。多い順に『直接廃棄』『食べ残し』『過剰除去』があります。賞味期限や消費期限を超えたことが原因でそのまま捨ててしまう『直接廃棄』や、食べきれずに捨てしまう『食べ残し』については、当たり前の見直しが必要です。使いきれる量を見直して、ご家庭に合った量のバラ売りしてあるものを購入することもおすすめです。またいつもの量の見直しも効果的です。例えばお味噌汁を作るとして、3人家族だったけれどお子さんが独立されてお料理する量が減ってしまったご家庭は、感覚で覚えていたいつもの量でお味噌汁を作ってしまうと余ってしまいます。そうった、当たり前の見直しから始めると『直接廃棄』や『食べ残し』は減らすことができますよね。一方、調理過程で皮を分厚くむいてしまったりなどで発生してしまう『過剰除去』はお料理の仕方で減らすことができます。包丁の扱いが上手になるよう練習しなくても、逆に厚く剥いて別のもう一品に活用するのもおすすめです。また、冷凍することによって薄く皮を剥くことができるフルーツもあるので、是非試して頂きたいです。
ー工夫次第で“食品ロス”は減らすことができるんですね。具体的な方法を是非教えて頂きたいです!
「例えば皮が剥きにくい洋梨や桃は、一度冷凍してから流水に当てるとツルっと綺麗に剥けます。また、賞味期限をうっかり切らしがちな食品ランキング上位のお豆腐は、水気を切ってフライパンで炒めると豆腐ミートとしてお肉がわりになります。食感も本当のお肉みたいなんですよ!その他にも、茹でて放置していたら麺同士がくっついてしまったうどん等は白滝や糸こんにゃくと一緒に炒めるとパラパラの焼うどんになります。
ー最後に、佐々木さんにとって“食品ロス”を減らすことはどんなことか教えて下さい。
「私にとって趣味です。いかに減らせるかと考えることがとっても楽しいです!『食べることができない』と自分が思い込んでいただけだった、ということが多いことにも気付きます。例えばピーマンの種は食べることができないと思われている方多いと思いますが、実は食べれるんです。種がある方が食感があって美味しいこともあります。食材も増えるので、お料理の選択肢も増えますよね。本に書いていないことを発見したりと毎日料理が楽しくなります。今後も、“食品ロス”を減らすことで「楽しいこと」「節約になること」を広めていきたいと思っています。」
サステナブル料理家 佐々木綾子
食品ロス対策(美味しく楽しく美しく減らす!)をはじめ省エネ、低炭素な料理を展開するサステナブル料理家。
レシピ開発、商品開発、WEBマーケティングサポート、サステナブルのコーディネート、イベント出演。
また、食品ロスやサステナブルを意識することで節約になる!ということを身をもって伝えるべく、youtubeでは「サステナ節約ガール」企画を展開中!
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