薬膳と聞くと難しいイメージですが、実は身の回りにある全ての食材を食養生に使う事ができるんです!
この記事では、国際薬膳師の増子友紀子さんから、今日から始めることができる薬膳を取り入れた生活について前半後半(上・下)に分けてお話を伺い、ご紹介しております。
今回は後半部分の増子さんご自身の薬膳との出会い、薬膳に対する思いなどをお伺いしました。
ー増子さんと薬膳との出会いやきっかけ、またどんなところに薬膳の魅力を感じたか教えてください。
「家族想いの食事を作ることから、私の薬膳生活は始まりました。私は元々18年前までは8年間、イタリアンのお店を持つシェフでした。私の母が体調を崩したことがきっかけで私に何ができるか考えた事が薬膳の道を進むきっかけとなりました。
自分の身体に合った食材を入れる生活(=食養生)をして感じた事が、『続けることに意味がある』ということです。食養生の生活を続けていくほど、自身を整えていくことが無理なく生きていくためのエネルギー源になっていることを体感しました。疲労感が残りにくくなったり、体調がよくなっているんです。自分が体調的も精神的にもバランスをとっていきやすくなるので、ライフスタイルごと良い方向に変わって行く事が薬膳の魅力ですね。」
ご家族のための食生活がきっかけだったんですね。体調だけでなく心理面でも健康になっていくのはとても魅力的。薬膳を取り入れた食養生、私も始めたくなってきました!
ー薬膳を日々の食生活に取り入れる時、増子さんが意識していることを教えてください。
最近は健康情報が溢れていますよね。皆さん知識はあるけれど、実生活に生かす事ができている方は意外と少ないのではないかと思っています。薬膳にハマったら本を買って勉強するのも素敵ですが、”知識”だけではサプリメントのように同じ食材を食べ続けてしまいがちです。なんとなく効果がありそうな食材をいつものルーティンで同じものを食べるのではなく、自分の今の体調に合った良いものを食べる事を意識しています。旬の食材を食卓に取り入れるだけでも食養生ができますし、「今私は何を美味しいと感じるんだろう?」ということを見つめ直すだけでも充分薬膳につなげる事ができます。食べたいものが分かってくると、自分の今の体調に気づくきっかけになるので、知識よりも自身の身体を見つめ直す事が大切です。」
自分自身の体調を見つめ直して食材選びをする事が大切なんですね。今日から意識してお食事をするようにして、私も薬膳を少し始めてみようと思います!
ー最後に増子さんにとって薬膳とはどんなものか教えてください。
「『自身が心地よく生きていくための食養生』だと思っています。もっと自分の体調をよくしていきたいという思いだけでまず前向きになりますし、それに対して何かできたら達成感が持てますよね。結果、自分自身にゆとりが持てるようになり、家族にも優しくなれます。生きていく上で、良いサイクルを続けていくための日々のステップを歩むことができるので、是非皆さんにも薬膳を取り入れる生活を初めてみて欲しいです!」
国際薬膳師 増子友紀子(ますこゆきこ)
仏・伊料理人歴18年の元オーナーシェフ。毎日の食と暮らしから自分を大切に生きていくことを習慣化するオンラインコミュニティ『こしらえごと.lab』主宰。8歳児の母。
身近な食材の組み合わせだけで作る、自分を知ることから始まる”おうち薬膳”ごはんを毎日の食と暮らしに楽しく取り入れるあれこれをシェアしている。”生きることが楽しくなった”、”自分を誰より大切にしたら、家族や自分のあり方が変わった”という声が多数。ハナコママ・暮らしの窓口等の雑誌・メディア掲載多数。