日々の生活に薬膳を取り入れる(上)


薬膳と聞くと難しいイメージですが、実は身の回りにある全ての食材を食養生に使う事ができるんです!


今回は国際薬膳師の増子友紀子さんから、今日から始めることができる薬膳を取り入れた生活について前半後半(上・下)に分けてお話を伺ってきました。


この記事では薬膳について、9月に取り入れたい薬膳料理について紹介していただきました。後半では、増子さんご自身の薬膳との出会い、薬膳に対する思いなどをお伺いしました。


ぜひ最後までご覧ください。

ー薬膳とはどんなものか改めて教えてください。


 「今の自分の体調の原因を意識して養生するための、中医学の学問の一つです。不調の原因の根本を見つけ出してそれに合わせて治療していくという中医学の考えのもと、食の形に取り入れたのが薬膳です。漢方薬などの、普段は使う事の少ない特別な食材を使って煮出したお料理を食べるだけが薬膳と言うわけではなく、普段使っている食材ひとつひとつに効能が宿り、自分の体調や悩みに合わせて摂るべき食材を選んでいくことも薬膳の考え方の一つになっています。


例えば、インドで食べられる食材は、辛味が強いカレーやスパイス・香辛料等が日常的に食べられていますが、熱を発散させる効果のあるものが多いです。そういった現地の人の生活に合わせた食文化も含めて薬膳と言います。」



薬膳と聞くと難しいイメージでしたが、実は身の回りにある食材から食養生は始める事ができるんですね!



ー増子さんは現在はどんな活動をされているか教えてください。


「薬膳自体は10年前から触れ合うようになりましたが、そこから勉強を重ねて国際薬膳師の資格を7年前に取りました。そこから今は、薬膳レシピを世界中にシェアしながら一緒にケアをする、「こしらえごと.lab」という食養生とライフスタイルを習慣化していくためのオンラインサロンを主宰しています。その他にもパーソナルシェフやレシピ提供などもしています。コロナウイルスの流行で自宅で教室などができなくなっていましたが、少し落ち着いてきたので再開しようかと準備を進めています。」



素敵な活動を沢山されておられて、今後ますますのご活躍が楽しみです!

それにしても10年も前ということは増子さんと薬膳のお付き合いは長いんですね。


ー簡単に取り入れやすい9月のおすすめの食材とレシピを教えてください。


「この時期は『胃腸に優しいもの』『身体をクールダウンしてくれるもの』『体の中から潤してくれるもの』を摂る事を私は大切にしています。


例えば茄子や梨、大根、さつま芋などの食材をご自身の体調に合わせて使うこともおすすめです。茄子や梨はクールダウンする作用と体内が潤う作用が薬膳では言われています。

9月の初めはまだ暑い日が多いですが、秋の入り口になってくると乾燥も気になってきますよね。調理法は煮る・蒸すなどがおすすめです。梨も氷砂糖と煮て食べると実は美味しいんですよ〜!大根は生で食べると静熱効果も期待できますが、少し秋になってくると火を入れて柔らかくして、肺の免疫を高める効果が期待できる調理法などがおすすめです。

お味噌汁などに入れても良いですよね!さつま芋は夏バテで弱くなった胃腸の働きを回復に向けて手助けしてくれる効果も薬膳では言われています。ここで夏バテをケアしておかないと、春先も体調を崩しやすくなってしまうので、半年前からケアを始めたいですよね。」



増子さんが9月に食べたいおすすめ食材で、薬膳レシピを教えてくださいました!

是非ご家庭で作ってみられてはいかがでしょうか?



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〜ごはん泥棒!だるけ・むくみを緩和するナスのさっと煮〜


【材料 】

ナス     5本

植物油    大さじ2

濃州タイプのめんつゆ(万能だし)   50ml

はちみつ   大さじ2

鰹節     ひとつかみ


【作り方】


1.ナスを洗って水気を切って、

切り込みを入れたら、フライパンに

油を引いて中火で両面焼く。


2.ナスに火が通ったら、調味料を入れて

ナスに絡めたらカツオ節を入れて完成


*大人は七味唐辛子をかけても美味しいですよ!


✎︎薬膳メモ____

:なす

体の余分な熱を冷ますので、

夏バテ疲れによい食材と言われています。

胃腸の調子を整えるはたらきがあり、

食欲不振、胃もたれ緩和等の効能を持ち合わせています。


また、利尿作用を活発にして

むくみをとる効果も期待できます。


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特別な食材は使わず、簡単にお家で今日から薬膳♪

レシピからも分かるように、薬膳はご自身の体調に合わせて簡単に取り入れることができるんですね!



次回の記事では、増子さんご自身の薬膳との出会い、薬膳に対する思いなどをお伺いしました。

ぜひそちらもご覧くださいませ。



国際薬膳師 増子友紀子(ますこゆきこ)


仏・伊料理人歴18年の元オーナーシェフ。

毎日の食と暮らしから自分を大切に生きていくことを習慣化するオンラインコミュニティ『こしらえごと.lab』主宰。8歳児の母。

身近な食材の組み合わせだけで作る、自分を知ることから始まる”おうち薬膳”ごはんを毎日の食と暮らしに楽しく取り入れるあれこれをシェアしている。

「生きることが楽しくなった」

「自分を誰より大切にしたら、家族や自分のあり方が変わった」

という声が多数。

ハナコママ・暮らしの窓口等の雑誌・メディア掲載多数。