塩麹や醤油麹など、日本には「麹調味料」があります。これを料理に使うだけで簡単にお料理が美味しくなり、手軽で便利と今注目を集めています。今回は自家製の麹調味料を使用したランチのお店をされている綾女(あやじょ)さんに麹調味調の魅力についてお伺いしました。「プロが使うもの」と思っていた麹調味料も実は手軽に試せるものだということを知りました。是非皆さんも今日から麹調味料を使ってお料理をしてみませんか?
ー普段、綾女さんはどんなことをされているか教えて下さい。
週に一回ほど、「cocorone koji cafe」という自家製の麹調味料を使用したランチや珈琲のお店を開いてます。
ー綾女さんの麹との出会いを教えて下さい。
父がお野菜を三五八漬け(さごはちづけ)や塩麹漬けにして作っていたのがきっかけで、自分でも漬けるようになりました。それがきっかけで、麹調味料をまずは塩麹や醤油麹を作るようになりましたね。やっぱり市販のものだと添加物が気になるので!
ー三五八漬けは初めて聞きました。どんなものか教えてください!
福島県、山形県、秋田県などから昔から伝わる麹漬けの作り方だそうです。糠漬けみたいに麹の床を作りお野菜を漬けるらしいです。私もまだ試したことがないので、いつか父みたいに漬けることができるようになればと思っています!
ー幼い頃から麹と触れ合っておられたんですね。塩麹の作り方を教えて下さい。難しそうに感じます…。
とっても簡単ですよ!米麹とお塩とお水を好みの分量で合わせて常温で置いて、毎日混ぜ合わせると出来上がります。私の塩麹は自然栽培の玄米麹を使用して常温で10日ほどかけてじっくり発酵させているので、食物繊維も豊富で優しい旨味の塩麹ができます。使う麹や作る人、環境によって少しずつ条件が異なって、それぞれ違ったご家庭の味も出てきます。これも麹調味料の面白さです!
ー麹と塩と水!これだけなら簡単に試せそうです!お料理に普通のお塩を使うのと、塩麹を使うのとではの出来上がりにどんな違いがありますか?
普通のお塩を使うよりも塩味の角が少なく、まろやかな仕上がりになります。麹を発酵させることで甘みもでますし、アミノ酸も含むので旨味も出て、料理が格段に美味しくなります。甘酒を甘麹として使い、お砂糖も使わなくなりました。
ーヘルシーで美味しそう!私も是非麹生活デビューをしてみたいです。毎日忙しい主婦さんでも手軽に試せますか?
塩麹であれば今どこにでも売ってたりするので、まずは市販のものから始めるといいかもですね!慣れてきたらご自身で作ってみたりして、是非気軽に麹生活を楽しんで下さい!
ー最後に綾女さんにとって麹調味料とはどんな存在か教えて下さい。
なくてはならないかけがえのない存在ですね。時間をかけて発酵させていく段階で、毎日かき混ぜて大事に大事に育ててるので、自分の子供みたいです。麹も生きてますからね!
皆さんはへしこというものを食べたり聞いたことはありますか?
へしことは若狭地域や越前海岸沿岸のお魚を糠漬けにした郷土食です。今回はInstagramで「糠漬け男子」として活動される今出健太さんからへしこの魅力についてお伺いしてきました。
これを読んでへしこの食べ方や魅力について知って、是非食べてみて、日本の食文化に触れてみませんか?
ーへしことはどんなものか改めて教えて下さい。
「魚を糠漬けにしたものです。日本海側の京都府や福井県のあたりは昔たくさん鯖が獲れていた時期がありました。冬の間に獲れた鯖を腐らせないようにした保存食がへしこの始まりです。へしこの語源は福井地域の方言で『押し込む・漬け込む』という意味の『へしこむ』だそうですよ!他にも金沢や島根の方でも食べられることもあるそうで、地域によっては鯖ではなくイカを漬けたり、塩分濃度が違ったりと、それぞれ特性があるようです。」
ー方言が語源だったんですね!どんな食べ方をするんですか?へしこの食べ方を教えて下さい。
「元々保存食だったので、毎日楽しめるようにいろんな食べ方があります。一般的なへしこは1年間かけて作られるので、しっかり熟成発酵されているため、生でおさしみとしてや、少し炙って食べたりします。料亭さんなどではお酢で〆て棒鮨にしたりされているところもあるようです。一方HISAMIのへしこは鯖の旨みを引き出し、塩分を抑えるために浅漬けにしているため、塩鯖のように焼いて食べるのがおすすめです。一般的なへしこの食感はヌメっとした印象を受ける方も多いですが、HISAMIのはまだ鯖がフレッシュなので焼いても身がふっくらと焼き上がります。」
ーいろんな食べ方があるんですね!へしこのアレンジ方法を是非教えて下さい。
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へしこ春巻き
〈材料〉
・HISAMIのへしこ 60g
・ズッキーニ 1/3本
・じゃがいも 1/2個
・クリームチーズ 30g
・春巻きの皮 3枚
〈作り方〉
①HISAMIのへしこを適当な包みやすい大きさに切り、
ズッキーニとジャガイモを細切りにする。
②①とクリームチーズを春巻きの皮で包む。
③熱した油で揚げて、完成!
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ーへしこの魅力について教えて下さい。
「糠漬けと同じように乳酸菌が含まれているので、腸活にも期待できますよね。また少量でもご飯が何杯でもでも食べられるのは魅力です!なので焼いたへしこを冷蔵庫に入れておいて、時間がない時にそれをお茶漬けやおにぎりにしてもいいですし、時短にもなる食材なのでおすすめです。」
ー今出さんにとってへしことはどんなものか教えて下さい。
「へしこはひいおばあちゃんの代から作っており、それを父が受け継いで漬けている姿を物心がついた時から見て育ってお手伝いもしていたため、思い入れのある家族のような存在です。それを今自分が受け継いで作ってるというのも感慨深いです。この家庭に生まれなかったらへしこを知らなかったかもしれないですし、ここに生まれたことに感謝してこの先も、へしこを残していきたいです。」
ー今後、今出さんはどんなことに取り組んでいきたいですか?
私にとって大切な存在であり、日本の素晴らしい食文化であるへしこについて、今後も発信していきたいと思っています。その目的に対する取り組みとして『糠漬け男子』としての活動もあります。最近は私の糠漬けの発信を見て、へしこを知って買ってくれる人も増えてきたので嬉しいです。今後も発信を続けていきたいと思っています。
今出健太(糠漬け男子)
高校卒業後、製菓専門学校入卒し、東京のケーキ屋やカフェにて働き、実家のへしこ工房HISAMIでへしこ作りをしています。
HISAMIホームページ:https://onl.tw/phvU876
皆さんのお家は糠漬けを漬けられていますか?今回はInstagramで「糠漬け男子」として活動される今出健太さんから糠漬けの魅力についてお伺いしてきました。皆さんきっとなんとなく身体にいいと聞いたことがある糠漬け、どんな風にいいのか、また美味しい糠漬けの漬け方なども今回は聞いてきました。これを読んで是非、糠漬けの魅力を深く知って、今日から糠漬け生活を始めてみませんか?
ー今出さんの普段どんなことをされているか改めて教えて下さい。
「わたしは普段、浅漬けのへしこをメインに作っています。祖母の代から家族でへしこを作っていますが、父の代で商品改良する時に今の浅漬けのへしこが出来上がりました。従来の一般的なへしこは1年かけて塩漬けと糠漬けをするのですが、私たちの作るへしこは漬ける工程を2~3週間で終わらせたものとなっています。なので私たちの作るへしこは塩分含有量も少なく、健康的なへしことなっています。」
ーご家族で代々受け継がれた技術で今へしこを作られているんですね。現在へしこの販売が主となっていますが、今出さんと糠漬けとの出会いや「糠漬け男子」を始めたきっかけを教えてください。
「家業の飲食店が元々小さい港町の食堂のような存在でしたが、30年前に私の父がこれまでの地元の方は勿論、観光客の方にも愛されるようリニューアルして、そこで糠漬けも提供しておりました。なので元々身近な存在でしたね。コロナウイルスが流行った時期にお店を更にリニューアルして、ホームページもへしこだけではなくに糠漬けにも焦点を当てて作り直しました。それがきっかけで糠漬けの魅力を研究するようになり、糠漬け好きの方とも繋がれたらと思い、今の『糠漬け男子』を立ち上げました。」
ー糠漬けの魅力について教えて下さい。
「糠床には植物性の乳酸菌が多く含まれているため、腸内環境を整える『腸活』という面でとても期待ができますよね。また、米糠にはビタミンB1やB2が多く含まれているため、野菜などを糠漬けにすることでより身体の内側から綺麗になれる食事を摂ることができると思います。例えば糠漬けの代表的な野菜として胡瓜が挙げられますが、糠漬けにすることで、生の胡瓜にそういった栄養素もプラスすることができますよね。」
ーご自宅で漬けられている方から「糠漬けを自分で漬けると酸っぱくなってしまう」という経験をよく聞くのですが、酸っぱくならないコツを教えて下さい。
「糠床に含まれる塩分量が少ないことが原因で酸っぱくなってしまう場合が多いです。糠床に雑菌が増えて、過剰発酵によって乳酸菌が増え、味が変わってしまいます。あとは、糠床を空気に触れさせて乳酸菌を少なくするために、毎日かき混ぜて手入れをすることも大切です。」
ーやっぱり毎日手入れをすることは大切なんですね。他にも糠床を管理するコツがあれば教えてください。
「冷蔵庫で管理することですね。糠床の温度が高くなりすぎても乳酸菌が増えてしまうんです。糠床の適性温度は温度 20~25℃くらいですが、一般家庭で年中同じ温度で管理するのは難しいため、一番安定した冷蔵保存をおすすめします。冷蔵庫に入れておけば1~2日くらいなら混ぜるのを忘れても少し安心できますよね。」
ー糠床を冷蔵庫保存することで、忙しい方でも糠漬けを楽しむことができるんですね。糠漬けを毎日美味しく食べれるアレンジ方法を教えて下さい。
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糠漬けきゅうりのタルタル
〈材料〉
・糠漬けきゅうり 1/2本
・玉ねぎ 1/2個
・ゆで卵 2個
・マヨネーズ 大さじ4(60g)
・塩こしょう 適量
・レモン汁 小さじ1
〈作り方〉
①糠漬けきゅうりと玉ねぎウィみじん切りする。
②潰したゆで卵に①と調味料を混ぜて完成!
ー最後に今出さんにとっての糠漬けとはどんなものか教えて下さい。
仕事だけでなくプライベートでも身近な生活の一部にあるものです。自分が漬けた糠漬けで、お店に来てくださったお客さんが喜んでくれるのががとても嬉しいです。私の毎日の喜びのサイクルの中心にあるため、もうなくてはならない存在です。どんどん若い方にも糠漬けの魅力を知って頂き、日本の食文化の素晴らしさをお伝えしていきたいです。
今出 健太(糠漬け男子)
高校卒業後、製菓専門学校入卒し、東京のケーキ屋やカフェにて働き、実家のへしこ工房HISAMIでへしこ作りをしています。
HISAMIホームページ:https://onl.tw/phvU876
前回の記事でご家庭で簡単に“食品ロス”を減らすことができる裏技のあれこれをサステナブル料理家の佐々木綾子さんにお聞きしました。今回はそんな佐々木さんが具体的なレシピを3つご紹介してくださいます!「ホエーポン酢醤油で食べるしゃぶしゃぶ」「きのこ尽くししゅうまい」「芯と皮で!アップルティー」の3品。普段ムダにしてしまっている材料を賢く活用して、地球にもお財布にも優しいお料理をみんなで楽しんでみませんか?
ーホエーポン酢醤油で食べるしゃぶしゃぶ
〈佐々木さんのひとことメモ〉
「ヨーグルトの水切りなどで出る「ホエー」。捨てられがちなものの、栄養豊富で美味しいんです。やわらかい旨味があり、まろやかな酸味と少しとろみがあるのが特長。ラッシーやスムージー、プロテインのベースにと色々使えます。そろそろお鍋が恋しいこの季節…余ったホエーでまろやかポン酢醤油しゃぶしゃぶはいかがですか?」
〈材料〉
・ホエー 大さじ3
・昆布 ひとかけ
・醤油 大さじ1.5
・和柑橘汁 大さじ1/2
〈作り方〉
1.ホエーポン酢醤油の材料を混ぜ合わせて冷蔵庫で30分~1時間寝かす。
2.いつも通りのしゃぶしゃぶでいただく。
ーきのこ尽くししゅうまい
〈佐々木さんのひとことメモ〉
「きのこといえば、軸の行方が気になるところ。ただ食べてもちょっと歯切れが悪くて噛みにくいかも・・・?!ですが、細かく刻めばいい感じの「肉っぽい食感」を醸し出します。どこがお肉でどこが軸だかわからないかも・・・?」
〈材料〉 8~10個分
・豚ひき肉 100g
・塩 小さじ1/3
・胡椒 少々
・醤油 小さじ1
・白ワイン 大さじ1
・ごま油 小さじ1
・マッシュルーム(5㎜角に切る) 50g
※他のお料理で使ったきのこの軸が余っていたら、ごく細かいみじん切りにしてi一部置き換えてもok
・マッシュルームの軸(ごく細かいみじん切り)トッピング用も含め全量
・赤玉ねぎ(3㎜角に切る) 20g
・片栗粉 小さじ4
・シュウマイの皮
・マッシュルーム(スライス)2~3個分
〈作り方〉
1.ボウルに豚ひき肉と塩、胡椒を入れて粘りが出るまでこねる。
2.醤油、白ワイン、ごま油を加え混ぜる。
3.マッシュルーム、マッシュルームの軸、赤玉ねぎに片栗粉をまぶしつけ、2に混ぜる。
4.シュウマイの皮に包んで成形する。
5.湯気の上がった蒸し器に並べ、強火で8~10分蒸す。
ー芯と皮で!アップルティー
〈佐々木さんのひとことメモ〉
「旬のりんご。美味しく食べた残りの芯や皮は、お湯で煮だして自然素材のフレーバーティーを楽しんでみては?!りんごで作ると、ほんのりお湯の色もピンク色になってかわいいです。他に、みかんの皮を煮だしたお湯でホットレモネードを作っても美味しいですし、色々なフルーツの皮で楽しめます。」
〈材料〉 1~2人分
・りんごの芯と皮 1個分
・水 300cc
・紅茶/ルイボスティー 1パック
〈作り方〉
1.りんごの芯と皮、水を小鍋に入れ、フタをして火にかける。
2.沸いたら弱火で3分煮だし、フタをしたまま火をとめて15分おいておく。
3.芯・皮を取り除き、ティーバッグを加えて3分蒸らす。
サステナブル料理家 佐々木綾子
食品ロス対策(美味しく楽しく美しく減らす!)をはじめ省エネ、低炭素な料理を展開するサステナブル料理家。
レシピ開発、商品開発、WEBマーケティングサポート、サステナブルのコーディネート、イベント出演。
また、食品ロスやサステナブルを意識することで節約になる!ということを身をもって伝えるべく、youtubeでは「サステナ節約ガール」企画を展開中!
HP→ https://www.ayakosasaki.com
instagram→ https://www.instagram.com/ayaco.ssk/
youtube→ https://youtube.com/channel/UCKXqI2U8ht4dEZ-pOpU22vQ
最近“食品ロス”という言葉をよく耳にします。外食産業や食品企業さんが取り組むこと、というイメージがある方も多いかもしれませんが、各家庭でできることはあるんです。今回はサステナブル料理家の佐々木綾子さんにご家庭で簡単に“食品ロス”を減らすことができる裏技のあれこれを聞いてきました。是非皆さんも“食品ロス”を減らして、家計にも地球にも優しくて楽しいギルトフリーなお料理を始めてみませんか?
ー初めに「食品ロス」とは何か改めて教えてください。
「食品ロスは実は『もったいない』だけではなく、様々なことに悪影響を及ぼすんです。例えば、濡れた生ゴミを燃やすのは普通の可燃ごみを燃やすよりもたくさんのエネルギーが必要となり、多くのコストがかかります。(その大部分は税金でまかなわれています。)そしてCo2などの温室効果ガスも排出します。
その他に、食糧不足や貧困問題は私たちに地球の裏側の関係のないこと、というイメージがありますが、“食品ロス”が大きく関係しているんです。日本の食品自給率は低く、沢山食品を輸入していますが、そうして輸入された限られた食料資源を私たちは捨てていることになります。また、輸入するにも資源はかかります。私たちが捨てなければ、輸入量は減りますし、食料不足や貧困問題の改善に繋がりますよね。」
ー“食品ロス”、悪影響が沢山ありますね。逆に減らしていくことでどんないいことがあるか教えて下さい。
「まずは環境負荷を減らすことができます。無駄な税金がかからなくなりますし、温室効果ガスの発生も抑制できます。また、貧困課題の解決に少し近づきます。
またそういった大きなことだけでなく、ゴミが軽くなったり、家計の節約になったりとより間近な実感もできるかと思います。例えば、京都市の調査(京都市食品ロスゼロプロジェクト)によると、1世帯(4人家族を想定)では、1年間で6万円捨ててしまっているというデータもあるようです。そのお金でちょっと外食することもできますよね。」
ー6万円!減らすことで様々なメリットがあることに気付きました、、佐々木さんがこの問題に目を向け始めたきっかけを教えて下さい。
「元々私は飲食店や外食産業で働いていたので、食べ物を捨てるということが原価に関わってくるという意識がありました。その後料理教室を始めた時に生徒さんから調理工程で出た廃棄物を見て『それはもう捨ててしまうの?』『後で他のことに使えないの?』とご質問をいただく機会が多く、そこで“食品ロス”について更に目を向けるようになりました。やはり実際に生活していて、まだ食べることができるかもしれない物を捨てることに罪悪感を感じる方は多いんですよね。活用できる部分は活用して、料理がもっとギルトフリーなものになったら、嬉しいなと思い、より詳しく“食品ロス”について調べるようになりました。」
ー私も料理をもっとギルトフリーなものにしていきたいです!今日から少しずつ各家庭で“食品ロス”を簡単に減らしていくには、まずはどんなことから始めたら良いか教えて下さい。
「家庭の食品ロスには大きく分けて3種類あります。多い順に『直接廃棄』『食べ残し』『過剰除去』があります。賞味期限や消費期限を超えたことが原因でそのまま捨ててしまう『直接廃棄』や、食べきれずに捨てしまう『食べ残し』については、当たり前の見直しが必要です。使いきれる量を見直して、ご家庭に合った量のバラ売りしてあるものを購入することもおすすめです。またいつもの量の見直しも効果的です。例えばお味噌汁を作るとして、3人家族だったけれどお子さんが独立されてお料理する量が減ってしまったご家庭は、感覚で覚えていたいつもの量でお味噌汁を作ってしまうと余ってしまいます。そうった、当たり前の見直しから始めると『直接廃棄』や『食べ残し』は減らすことができますよね。一方、調理過程で皮を分厚くむいてしまったりなどで発生してしまう『過剰除去』はお料理の仕方で減らすことができます。包丁の扱いが上手になるよう練習しなくても、逆に厚く剥いて別のもう一品に活用するのもおすすめです。また、冷凍することによって薄く皮を剥くことができるフルーツもあるので、是非試して頂きたいです。
ー工夫次第で“食品ロス”は減らすことができるんですね。具体的な方法を是非教えて頂きたいです!
「例えば皮が剥きにくい洋梨や桃は、一度冷凍してから流水に当てるとツルっと綺麗に剥けます。また、賞味期限をうっかり切らしがちな食品ランキング上位のお豆腐は、水気を切ってフライパンで炒めると豆腐ミートとしてお肉がわりになります。食感も本当のお肉みたいなんですよ!その他にも、茹でて放置していたら麺同士がくっついてしまったうどん等は白滝や糸こんにゃくと一緒に炒めるとパラパラの焼うどんになります。
ー最後に、佐々木さんにとって“食品ロス”を減らすことはどんなことか教えて下さい。
「私にとって趣味です。いかに減らせるかと考えることがとっても楽しいです!『食べることができない』と自分が思い込んでいただけだった、ということが多いことにも気付きます。例えばピーマンの種は食べることができないと思われている方多いと思いますが、実は食べれるんです。種がある方が食感があって美味しいこともあります。食材も増えるので、お料理の選択肢も増えますよね。本に書いていないことを発見したりと毎日料理が楽しくなります。今後も、“食品ロス”を減らすことで「楽しいこと」「節約になること」を広めていきたいと思っています。」
サステナブル料理家 佐々木綾子
食品ロス対策(美味しく楽しく美しく減らす!)をはじめ省エネ、低炭素な料理を展開するサステナブル料理家。
レシピ開発、商品開発、WEBマーケティングサポート、サステナブルのコーディネート、イベント出演。
また、食品ロスやサステナブルを意識することで節約になる!ということを身をもって伝えるべく、youtubeでは「サステナ節約ガール」企画を展開中!
HP→ https://www.ayakosasaki.com
instagram→ https://www.instagram.com/ayaco.ssk/
youtube→ https://youtuhttps://gem-3910432.netbe.com/channel/UCKXqI2U8ht4dEZ-pOpU22vQ
みなさんは米粉のお菓子を食べたことはありますか?小麦粉アレルギーのある方でも美味しくお菓子を食べることができると今注目されています。
今回は「米粉の焼き菓子専門店 穂~ほまれ~」で米粉の焼き菓子を作られるご姉妹かなえさん(姉)・ひかりさん(妹)からお話を伺いました。お話を聞いていくうちに、米粉はアレルギーを持つ方だけでなく、いろんな方にお勧めしたいものだという発見がありました。
是非これを読んでお家で米粉を使ってみてはいかがでしょうか。
この記事は(上)(下)に分かれています。
(下)では米粉焼菓子のお店を始めたきっかけや魅力についてお話ししていただきました。
ー「米粉焼菓子専門店 穂~ほまれ~」を始めたきっかけを教えてください。
「お米の消費量を少しでもあげたい」「地元のお米農家さんに貢献したい」という想いから始めました。
私たちの祖父は茨城県で農家をしています。小さい頃からお米に慣れ親しんで来ましたが、大人になって地元を離れると、お米を食べる機会が少なくなくなってしまいました。そんな時に妹のひかりが米農家さんの幼なじみと将来の話をして、近年お米のあらゆる問題について考えるようになりました。例えば、消費量が減ってしまっていることやお米の価格が下がっていることが原因となって、米農家さんの生活が苦しくなってしまっていることなどですね。
私たちにできる事がないかと考えた時に、姉のかなえがお菓子を昔作っていたことから、米粉焼き菓子を作ろうということになりました。
幼なじみの米農家さんは米粉にする機械もお持ちなので、そちらの米粉を使っています。」
ーどんな方に米粉焼菓子をお勧めしたいですか?
是非いろんな方に試して頂きたいです!米粉は美味しくないイメージがあると言われる事が多いですが、使ってみると意外にも簡単に扱えて、更に美味しく召し上がっていただけるものなんだと気づいてくださる方も多いのではないかと思います。振るわなくていいですし、軽く仕上がるのでとても重宝します。
米粉を使ったお菓子で皆さんがよくイメージをされる独特のモチモチ感は、水分の多いシフォンケーキなどを作ったら出やすいです。逆にクッキーなどの水分が少ないお菓子だとサクサクで軽くなるなとこれまでの経験から感じています。多分米粉は小麦粉に比べて油分の吸収率が低いからなんでしょうね。
粒子の大きさはそんなに細かいもので無くても、お菓子を作る分には問題なく作れるので是非ご家庭で気軽に試して頂きたいです。」
最後に「米粉焼菓子専門店 穂~ほまれ~」の姉妹お二人にとって米粉とはどんなものか教えてください。
姉かなえさん
「主食のように無くてはならない大切な存在です。どんな食材でも合いますし、お料理にも使えるのでわざわざ小麦粉を使わなくなりました。揚げ物やクリームソースなども米粉で全て作ることができるのでとても万能です。」
妹ひかりさん
「農家さんと私たちのお菓子を食べてくださる方を繋ぐ存在です。ご飯としてだけでなく、米粉としても農家さんのお米を食べて頂くことで、選択の幅が広がり、皆さんにとってお米と触れ合う機会が増えてくれればと思っています。」
「米粉の焼き菓子専門店 穂~ほまれ~」
「米の消費に少しでも貢献したい!」という思いから、米粉の焼き菓子を姉妹で作っています。
卵・バターを使っていますが、小麦粉は不使用。米粉を美味しく食べる焼き菓子を作っています。
普段はイベントでお菓子を提供したり、やECサイトで作った米粉の焼き菓子を販売をして、米粉焼き菓子の美味しさを知っていただく活動を行っています。
みなさんは米粉のお菓子を食べられたことはありますか?小麦粉アレルギーのある方でも美味しくお菓子を食べることができると今注目されています。
今回は「米粉の焼き菓子専門店 穂~ほまれ~」で米粉の焼き菓子を作られるご姉妹かなえさん(姉)・ひかりさん(妹)からお話を伺いました。お話を聞いていくうちに、米粉はアレルギーを持つ方だけでなく、いろんな方にお勧めしたいものだという発見がありました。
是非これを読んでお家で米粉を使ってみてはいかがでしょうか。
この記事は(上)(下)に分かれています。
(上)では米粉焼菓子の魅力や、レシピについて紹介していただきました。
ー米粉焼菓子の魅力について教えてください
「素材の味が活かせることが魅力の一つだと思っています。抹茶やほうじ茶などの和の素材との相性もとても良いです。小麦粉には小麦粉の香りがあって、それがまた良さになることもありますが、和の食材は香りが繊細なものが多いので、米粉で作ると香りが引き立ちます。
以前イベントで海苔や梅干しなどを入れたさっぱりとしたお茶漬けパフェを米粉を合わせて作ったこともありましたが、素材の香りが生かされて大好評でした!また、香りの良いお酒とも合わせやすいので、米粉で作ったお菓子とお酒のペアリングをするのもお勧めです。
仕上がりが重すぎず、食べやすくなることも米粉の魅力ですよね。体調に合わせて美味しくお菓子をいただくことができます。」
今回は特別に米粉を使ったクッキーのレシピを教えていただきました!
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〜「米粉焼菓子専門店 穂~ほまれ~」のそぼっクッキー(米粉の絞りだしクッキー)〜
【材料】
バター 40g
きび糖(グラニュー糖でも可) 28g
卵 30g
米粉 62g
バニラエッセンス 少々
【作り方】
1.バターは20℃くらいで柔らかくしておく。
(夏は室温に出しておいて、冬は少しレンジで温めるといいです。
温めるときは10秒ずつくらいで溶けないように注意)
2.バターをゴムベラでだまがないようにペースト状にします。
3.きび糖を入れてバターになじませます。
4.ホイッパーに持ち替えて、白っぽくなるまですりまぜます
5.卵を少しずつよく混ぜながら入れます
6.ゴムベラに持ち替えてバニラエッセンスを少々加えてよく混ぜ米粉を入れてよく混ぜます
7.粉っぽさがなくなったらお好きな口金をつけた絞り袋に入れて絞りだします。
8.140℃に予熱したオーブンで35~40分焼きます。
※焼きあがった後少し柔らかいようでしたらクッキーが冷めるまでオーブンの中で放置しておくとカリカリになります。
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ー美味しそう!身体にも優しそうなレシピですね!米粉を上手に使うコツなどあれば教えてください。
「例えばお手持ちの焼き菓子レシピの材料が小麦粉の場合、米粉に変えて作りたい時は、書いてある分量から1~2割減らして使うと成功しやすいです。おそらく、米粉の方が給水率が高いからなんでしょうね。試作を重ねてこの1~2割減らすというベストな分量にたどり着きました。ご参考にしてください。」
ー試作を重ねて発見した分量なんですね!分かりやすいから色んなレシピに応用が効きそう!
次の記事では、お二人がお店を始めたきっかけや想いについてお話いただきました。
次回もお楽しみに!
「米粉の焼き菓子専門店 穂~ほまれ~」
「米の消費に少しでも貢献したい!」という思いから、米粉の焼き菓子を姉妹で作っています。
卵・バターを使っていますが、小麦粉は不使用。米粉を美味しく食べる焼き菓子を作っています。
普段はイベントでお菓子を提供したり、やECサイトで作った米粉の焼き菓子を販売をして、米粉焼き菓子の美味しさを知っていただく活動を行っています。
「米粉の焼き菓子専門店 穂~ほまれ~」
「米の消費に少しでも貢献したい!」という思いから、米粉の焼き菓子を姉妹で作っています。
卵・バターを使っていますが、小麦粉は不使用。米粉を美味しく食べる焼き菓子を作っています。
普段はイベントでお菓子を提供したり、やECサイトで作った米粉の焼き菓子を販売をして、米粉焼き菓子の美味しさを知っていただく活動を行っています。
薬膳と聞くと難しいイメージですが、実は身の回りにある全ての食材を食養生に使う事ができるんです!
この記事では、国際薬膳師の増子友紀子さんから、今日から始めることができる薬膳を取り入れた生活について前半後半(上・下)に分けてお話を伺い、ご紹介しております。
今回は後半部分の増子さんご自身の薬膳との出会い、薬膳に対する思いなどをお伺いしました。
ー増子さんと薬膳との出会いやきっかけ、またどんなところに薬膳の魅力を感じたか教えてください。
「家族想いの食事を作ることから、私の薬膳生活は始まりました。私は元々18年前までは8年間、イタリアンのお店を持つシェフでした。私の母が体調を崩したことがきっかけで私に何ができるか考えた事が薬膳の道を進むきっかけとなりました。
自分の身体に合った食材を入れる生活(=食養生)をして感じた事が、『続けることに意味がある』ということです。食養生の生活を続けていくほど、自身を整えていくことが無理なく生きていくためのエネルギー源になっていることを体感しました。疲労感が残りにくくなったり、体調がよくなっているんです。自分が体調的も精神的にもバランスをとっていきやすくなるので、ライフスタイルごと良い方向に変わって行く事が薬膳の魅力ですね。」
ご家族のための食生活がきっかけだったんですね。体調だけでなく心理面でも健康になっていくのはとても魅力的。薬膳を取り入れた食養生、私も始めたくなってきました!
ー薬膳を日々の食生活に取り入れる時、増子さんが意識していることを教えてください。
最近は健康情報が溢れていますよね。皆さん知識はあるけれど、実生活に生かす事ができている方は意外と少ないのではないかと思っています。薬膳にハマったら本を買って勉強するのも素敵ですが、”知識”だけではサプリメントのように同じ食材を食べ続けてしまいがちです。なんとなく効果がありそうな食材をいつものルーティンで同じものを食べるのではなく、自分の今の体調に合った良いものを食べる事を意識しています。旬の食材を食卓に取り入れるだけでも食養生ができますし、「今私は何を美味しいと感じるんだろう?」ということを見つめ直すだけでも充分薬膳につなげる事ができます。食べたいものが分かってくると、自分の今の体調に気づくきっかけになるので、知識よりも自身の身体を見つめ直す事が大切です。」
自分自身の体調を見つめ直して食材選びをする事が大切なんですね。今日から意識してお食事をするようにして、私も薬膳を少し始めてみようと思います!
ー最後に増子さんにとって薬膳とはどんなものか教えてください。
「『自身が心地よく生きていくための食養生』だと思っています。もっと自分の体調をよくしていきたいという思いだけでまず前向きになりますし、それに対して何かできたら達成感が持てますよね。結果、自分自身にゆとりが持てるようになり、家族にも優しくなれます。生きていく上で、良いサイクルを続けていくための日々のステップを歩むことができるので、是非皆さんにも薬膳を取り入れる生活を初めてみて欲しいです!」
国際薬膳師 増子友紀子(ますこゆきこ)
仏・伊料理人歴18年の元オーナーシェフ。毎日の食と暮らしから自分を大切に生きていくことを習慣化するオンラインコミュニティ『こしらえごと.lab』主宰。8歳児の母。
身近な食材の組み合わせだけで作る、自分を知ることから始まる”おうち薬膳”ごはんを毎日の食と暮らしに楽しく取り入れるあれこれをシェアしている。”生きることが楽しくなった”、”自分を誰より大切にしたら、家族や自分のあり方が変わった”という声が多数。ハナコママ・暮らしの窓口等の雑誌・メディア掲載多数。
薬膳と聞くと難しいイメージですが、実は身の回りにある全ての食材を食養生に使う事ができるんです!
今回は国際薬膳師の増子友紀子さんから、今日から始めることができる薬膳を取り入れた生活について前半後半(上・下)に分けてお話を伺ってきました。
この記事では薬膳について、9月に取り入れたい薬膳料理について紹介していただきました。後半では、増子さんご自身の薬膳との出会い、薬膳に対する思いなどをお伺いしました。
ぜひ最後までご覧ください。
ー薬膳とはどんなものか改めて教えてください。
「今の自分の体調の原因を意識して養生するための、中医学の学問の一つです。不調の原因の根本を見つけ出してそれに合わせて治療していくという中医学の考えのもと、食の形に取り入れたのが薬膳です。漢方薬などの、普段は使う事の少ない特別な食材を使って煮出したお料理を食べるだけが薬膳と言うわけではなく、普段使っている食材ひとつひとつに効能が宿り、自分の体調や悩みに合わせて摂るべき食材を選んでいくことも薬膳の考え方の一つになっています。
例えば、インドで食べられる食材は、辛味が強いカレーやスパイス・香辛料等が日常的に食べられていますが、熱を発散させる効果のあるものが多いです。そういった現地の人の生活に合わせた食文化も含めて薬膳と言います。」
薬膳と聞くと難しいイメージでしたが、実は身の回りにある食材から食養生は始める事ができるんですね!
ー増子さんは現在はどんな活動をされているか教えてください。
「薬膳自体は10年前から触れ合うようになりましたが、そこから勉強を重ねて国際薬膳師の資格を7年前に取りました。そこから今は、薬膳レシピを世界中にシェアしながら一緒にケアをする、「こしらえごと.lab」という食養生とライフスタイルを習慣化していくためのオンラインサロンを主宰しています。その他にもパーソナルシェフやレシピ提供などもしています。コロナウイルスの流行で自宅で教室などができなくなっていましたが、少し落ち着いてきたので再開しようかと準備を進めています。」
素敵な活動を沢山されておられて、今後ますますのご活躍が楽しみです!
それにしても10年も前ということは増子さんと薬膳のお付き合いは長いんですね。
ー簡単に取り入れやすい9月のおすすめの食材とレシピを教えてください。
「この時期は『胃腸に優しいもの』『身体をクールダウンしてくれるもの』『体の中から潤してくれるもの』を摂る事を私は大切にしています。
例えば茄子や梨、大根、さつま芋などの食材をご自身の体調に合わせて使うこともおすすめです。茄子や梨はクールダウンする作用と体内が潤う作用が薬膳では言われています。
9月の初めはまだ暑い日が多いですが、秋の入り口になってくると乾燥も気になってきますよね。調理法は煮る・蒸すなどがおすすめです。梨も氷砂糖と煮て食べると実は美味しいんですよ〜!大根は生で食べると静熱効果も期待できますが、少し秋になってくると火を入れて柔らかくして、肺の免疫を高める効果が期待できる調理法などがおすすめです。
お味噌汁などに入れても良いですよね!さつま芋は夏バテで弱くなった胃腸の働きを回復に向けて手助けしてくれる効果も薬膳では言われています。ここで夏バテをケアしておかないと、春先も体調を崩しやすくなってしまうので、半年前からケアを始めたいですよね。」
増子さんが9月に食べたいおすすめ食材で、薬膳レシピを教えてくださいました!
是非ご家庭で作ってみられてはいかがでしょうか?
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〜ごはん泥棒!だるけ・むくみを緩和するナスのさっと煮〜
【材料 】
ナス 5本
植物油 大さじ2
濃州タイプのめんつゆ(万能だし) 50ml
はちみつ 大さじ2
鰹節 ひとつかみ
【作り方】
1.ナスを洗って水気を切って、
切り込みを入れたら、フライパンに
油を引いて中火で両面焼く。
2.ナスに火が通ったら、調味料を入れて
ナスに絡めたらカツオ節を入れて完成
*大人は七味唐辛子をかけても美味しいですよ!
✎︎薬膳メモ____
:なす
体の余分な熱を冷ますので、
夏バテ疲れによい食材と言われています。
胃腸の調子を整えるはたらきがあり、
食欲不振、胃もたれ緩和等の効能を持ち合わせています。
また、利尿作用を活発にして
むくみをとる効果も期待できます。
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特別な食材は使わず、簡単にお家で今日から薬膳♪
レシピからも分かるように、薬膳はご自身の体調に合わせて簡単に取り入れることができるんですね!
次回の記事では、増子さんご自身の薬膳との出会い、薬膳に対する思いなどをお伺いしました。
ぜひそちらもご覧くださいませ。
国際薬膳師 増子友紀子(ますこゆきこ)
仏・伊料理人歴18年の元オーナーシェフ。
毎日の食と暮らしから自分を大切に生きていくことを習慣化するオンラインコミュニティ『こしらえごと.lab』主宰。8歳児の母。
身近な食材の組み合わせだけで作る、自分を知ることから始まる”おうち薬膳”ごはんを毎日の食と暮らしに楽しく取り入れるあれこれをシェアしている。
「生きることが楽しくなった」
「自分を誰より大切にしたら、家族や自分のあり方が変わった」
という声が多数。
ハナコママ・暮らしの窓口等の雑誌・メディア掲載多数。
最近話題となっているヴィーガン。今日はVege料理研究家のAkiさんからお話を伺いました。ヴィーガンは「お肉を全く食べない」というイメージが先行してしまいがちですが、地球にとっても自分の心と身体にとっても素敵な選択だということを教えていただきました。まずは自分にできることをできるところから、ヴィーガンを毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ー初めに「ヴィーガン」の言葉の意味を改めて教えてください。
「動物をできるだけ搾取しない生き方」のことです。食事だけヴィーガンの方もいらっしゃいますが、その他の道具にも私はヴィーガンを取り入れています。革製品を使わない、動物実験をしていないものを選択する、など衣食住において動物からものを取らない生き方だと私は考えています。」
お食事以外も動物から搾取しない生き方を指すんですね。
「お食事だと、卵やお肉、魚介類、また蜂蜜などを選ばないようにしています。例えば甘味調味料となる蜂蜜の代わりに、メープルシロップやココナッツシュガーなど、植物性の自然由来の食品は実はたくさんあります。」
ヴィーガンは食べられるものがかなり制限されるイメージでしたが、選択肢は意外と多いんですね。
ーヴィーガンの魅力について教えてください。
「一人一人の小さな選択が積み重なって、持続可能な地球に繋がることだと思っています。動物にとっての優しい選択は地球環境への優しい選択にも繋がります。また、自分自身の心と身体にとっても優しい選択になると思っています。」
地球や動物にとってだけでなく、私たちにとっても優しい選択なんて、いいことづくしですね!
「また、私は昔重度のアトピーだったのですが、菜食にしてからお薬なしで症状が改善したということを体感したことがあります。身体に不調を感じている方は、ご自分が召し上がっているお食事を見直すことで、私のように改善するケースもあるかもしれませんね。」
お食事を見直すことで身体の不調が改善することもあるんですね!身体は私たちが食べているものでできていますもんね。
ーAkiさんとヴィーガンの出会いやきっかけを教えて下さい。
「ヴィーガンには5年ほど前に出会いましたがそれ以前も食事には心がけていました。私はアトピーの他に、食物アレルギーもありました。当時は小麦、卵、乳製品、フルーツ、大豆を食べると症状が出ていました。母は私の食事を出してくれる時に、動物性食品を使わないようにしたり、マクロビオティックや自然療法を日々の食事に取り入れてくれていました。
一方私は、大学生になって、これまで以上に友達と外食などで様々なものを食べる機会が増え、アトピーがひどくなるといった経験をしました。精神面にも影響が出て、イライラしやすくなったりしました。そこで改めて私の母が気をつけてくれていた食事の大切さを感じ、自身で勉強するようになりました。アトピーやアレルギーと仲良くして、素材の選択をする際には、自分だけでなく自分の周りの環境も大切にすることを心がけることが大切だと、身をもって感じました。」
みんなと同じものを食べているだけなのに自分だけアレルギーなどの症状が出てしまうと、同じようにお食事も楽しむことが難しくなりますし、お辛いですよね。
「みんなと同じ食事をなかなかとることができませんでした。なのでみんなで同じ食事をとることを私は特に大切にしています。勉強をするようになり症状が改善してからは、お料理教室や自然農などを行うようになりました。自然農は地球を汚さないことを大切にした農業なので、地球環境に対しても関心を持つようになりました。そしてヴィーガンと出会って、日々の選択も持続可能な地球に繋がる、動物にも優しい選択をしていこうと思うようになりました。」
幼少期からのお母さまのお食事の選択が、今のAkiさんの選択に生きているんですね。自分や自分の周りの環境も大切にする選択、私も少しずつできることから始めてみたくなりました。
ー今日からヴィーガンを生活に少しずつ取り入れるには、まずはどんなことから始めたら良いか教えて下さい。
「植物性の食品、大豆などで作られたお肉「代替肉」やおからこんにゃくなどをお料理に取り入れてみる、また、月曜日だけお肉を食べない「ミートフリーマンデー」を取り入れることもおすすめです。代替肉は最近本当に美味しくなってきているので、それで作ったお料理を食卓に出しても、家族の中には気づかない人もいるかもしれません。それぞれできることから少しずつでいいと思っています。少しずつ始めて自分の身体にも地球の未来にもいい影響が出るといいですよね。」
みんなで食卓を囲むことを大切にされているAkiさんが、みんなで楽しめるヴィーガンピザのレシピを教えて下さいました♪
食材は、癖が少なくてヘルシーなのに食べ応えがあると、今注目されている大豆発酵食品。
是非ご家庭で作ってみられてはいかがでしょうか?
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ヴィーガン料理簡単レシピ 〜テンペの照り焼きピザ〜
【材料・作り方】
〈照り焼きテンペ〉
・テンペ(1枚を8個に切る) :2枚
・コーン :適量
・玉ねぎ(薄切り) : ½個
・マッシュルーム(薄切り) :4個
・ミニトマト(4つ切り) : 4個
・とろけるveganチーズまたはveganチーズ(市販):お好み
・小ネギ(小口切り) : 1本
・刻み海苔 :適量
・大葉(薄切り) :2枚
・veganマヨネーズ(ソースレシピ参照) :お好み
・照り焼きソース :お好み
〈照り焼きタレ〉
みりん :大さじ2
醤油 :大さじ1
酒 :大さじ1
デジョンマスタード :小さじ1/2
〈照り焼きソース〉
・醤油 :大さじ1
・みりん :大さじ1
・酒: 大さじ1
・メープルシロップ :大さじ1/2
A
・葛粉 :小さじ½
・水 :小さじ½
〈塗るソース〉
・豆乳マヨネーズ :大さじ1
・照り焼きソース :大さじ1
①フライパンに油を熱し8等分にしたテンペを両面こんがり焼く。
②〈照り焼きタレ〉
照り焼きタレ全ての材料をよく混ぜてマスタードを溶かします。
③照り焼きタレをフライパンで、中強火で煮詰め、
泡が大きくなったらテンペを加えて照りが出るまで煮からめる。
④〈照り焼きソース〉
葛粉と水を溶かす
⑤鍋に④以外の材料を入れ煮立たせ、火を弱めて木べらでかき混ぜながら
④を加えてとろみをつける。
〈米粉ピザ生地〉
A
米粉 100g
片栗粉 30g
ペーキングパウダー 7g
B
絹ごし豆腐 110g
砂糖 7g
塩 小さじ¼
オリーブオイル 7g
※下準備
オーブンは220°に余熱する
①Aの材料をボウルに入れて泡立て器で混ぜる
②別のボウルにBの豆腐を粗く崩して入れ、残りのBを加え、泡立て器で豆腐を崩しながら混ぜる
③滑らかなペースト状になったら1を加えゴムベラで混ぜる。
④全体に混ざってポロポロになったら手でこね、ひとまとめにする。耳たぶくらいの固さが目安。
⑤天板にオーブンシートをひき④をのせ丸く伸ばす。
⑥ピザ生地にveganマヨネーズと照り焼きソースを混ぜたものを全体に塗り、その上に照り焼きテンペとコーン、さっと炒めたマッシュルーム、薄切り玉ねぎ、ミニトマトを乗せて、veganチーズをお好みの量をのせる。
⑦200°~230°のオーブンで10分ほど焼き色がつくまで焼き、最後にお好みでveganマヨネーズと照り焼きソース、刻み海苔と小葱、大葉をのせてできあがり。
〈手作りとろけるveganチーズ〉
・豆乳 125cc
・白玉粉 大さじ1、5
・白味噌 小さじ1
・塩 小さじ½
・オリーブオイル 小さじ1
・ニュートリショナルイースト 小さじ1
・お酢 小さじ1/4
・胡椒 少々
①白玉粉は粉状になるまでミルサーにかける
②①と他の材料を小鍋に移し中火にかけ、混ぜながら全体がクリーム色に変わるまで2~3分ほど加熱する。
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ヴィーガンでみんなで楽しく食べれるお料理。
是非試してみて下さい。
ー最後にAkiさんにとってヴィーガンとはどんなものか教えて下さい。
私にとってヴィーガンとは「幸せの循環」だと思っています。動物を傷つけず、地球に優しく、自身の身体や心にも優しい生き方はみんなにとって優しいことだと思っています。これから子供たちが生きる未来の環境や身体のことに真剣に向き合い、全ての命にとって幸せな選択をしていきたいですね。
Vege料理研究家 田中明緒(Aki)
鍼灸師・Rawfood国際認定講師・日本CI協会認定インストラクター・師範・日本鍼灸医学会員(経絡治療)・全米ヨガアライアンスRYT200
鍼灸師・Vege料理研究家。長野県上田市のアグリカフェあまてるにて鍼灸施術、Veganレシピ開発や料理教室もしております。自身が重度のアレルギーの経験から、アレルギーがある方や宗教上問題がある方などでも、みんなが同じ一つのテーブルで笑顔で安心して食べられる食やレシピ、鍼灸、東洋医学を提供できるようにという思いで活動しています。次世代の方に住みやすい地球を手渡せるように地球、人、動物に優しいVegan料理科と鍼灸を通して笑顔やHAPPYを拡大していくことが目標。
ナチュラルフードレシピコンテストスイーツ部門グランプリ(2021)
【薬膳vegan healing recipe】
キラジェンヌ出版社から出版
(2021)
◎インスタグラム
https://www.instagram.com/akki_v_/
◎LINE公式アカウント
https://lin.ee/urai2o5
◎YouTube
https://youtube.com/channel/UCLRyrDNZXdXurfYIcYesnfA
◎Web
https://lumierehealing.studio/
◎VeganスイーツOnlinshop
「テーブルコーディネート」と聞けば、上質な印象だったり、普段のお食事には少し敷居が高いイメージがありますよね。
今回はテーブルコーディネーターの和田さんから、テーブルコーディネートには背伸びをした特別なものは必要ないこと、まずはモノではなくおもてなしの心が大切なことを教えて頂きました。貴方も是非、今日からテーブルコーディネートを少し楽しんでみませんか?
ーテーブルコーディネートとはどんなものか改めて教えてください。
「テーブルコーディネートはテーブルを囲む方に食事をよりおいしく楽しんで召し上がっていただき、素敵な思い出を持ち帰って頂くよう演出すること、になると思います。
『視覚は美味しさの80%を占める』という言葉があるように、どんな一流シェフが作ったお料理でも、食器が汚れていたり空間が心地よくないと美味しさは半減してしまいますもんね。お料理のみならず全てのトータルバランスが大切です。」
確かに食空間演出をするとより美味しくお食事が頂けますよね。これまでテーブルコーディネートを毎日の食卓に取り入れたいと思いつつも、難しいイメージがありました。
「テーブルコーディネート、と聞くと豪華な食器やお花などで演出されたゴージャスな食卓をイメージされると思いますが、実はもっと手軽に始めることができるんです。ランチョンマット(テーブルマット)を使う、配色に気遣ってみる、お箸置きなどで季節を取り入れる…日常でも取り入れられることはたくさんあります。
テーブルにDMやお子さんの宿題など食に関係ないものがのったままになっていませんか?そういうものを取り除き食に向き合う空間を作ることも大切だと思います。」
おうちにあるものから始められるんですね!それなら毎日のお食事でも実践できそうです。
ーテーブルコーディネートには、難しいルールなどはありますか?
「お食事される方の手の届く範囲にカトラリーやグラスを置くこと、お花の香りがお食事の邪魔をしないようにすること、向かい側の方のお顔が見えるようにお花の高さを意識することなど、お食事をされる方の食べやすさへの配慮は大切にしますが、厳しくて難しいルールは少なく、自由度は高いです。」
ー和田さんがテーブルコーディネートの魅力を感じた、出会いやきっかけを教えてください。
「まずは母の影響でしょうか。幼少期のお誕生日やクリスマスなどのイベントには、クリスマスツリーにお菓子を吊るしたり、ちょっとおしゃれな器にフルーツポンチを盛り付けてくれたり…母が楽しませてくれました。人が喜ぶ演出をすることは素敵だと感じるようになったのはそれが原点だと思います。
テーブルコーディネートと本格的に触れ合うようになったのは、24歳の頃にイギリスでインターンとして働いたことがきっかけです。皆さんにとてもよくしていただき、いろいろな方のホームパーティーに招かれステキなテーブルを目にしました。なかでもイースターやクリスマスなどのオケージョンのテーブルは今も鮮明に覚えています。そんな経験から、テーブルコーディネートは人をハッピーにするものなんだとより魅力を感じるようになりました。」
幼少期の思い出と、インターン先のイギリスの食卓からテーブルコーディネートの魅力を感じられるようになったんですね。
ーイギリスと日本のうつわの使い方に違いはあるんでしょうか?
「イギリスの方はひとつの食器のブランドやシリーズを6〜12ピースのセットで揃えることが多いようです。日本だと一つの食卓に色違いや型違いのうつわを使うこともありますよね。日本のうつわの使い方はより自由度が高く、自由な発想で柔軟に使える楽しさもあります。」
文化の違いによってやはり違いがあるんですね。購入する場所も変わってきそうですね。
ー和田さんはテーブルウェアをネットショップで購入することはありますか?
「もちろんありますよ!食器は重いので配送していただけるのは助かりますし、ネットの方がお目当ての器が手に入りやすいこともあります。人気の作家さんの作品などは個展が遠方で開催されたりなかなか入手できなかったりしますが、オンラインでこまめにチェックしてお気に入りを見つけたということもあります。」
最近はオンラインショップのうつわも選択肢が豊富ですもんね!
ー普段のお食事でテーブルコーディネートをする時に和田さんが意識していることを教えてください。
「大きく分けて2つのことを意識しています。一つ目は食べ物が主役だということです。お気に入りの食器を見つけたら全てを使いたくなったりしますが、トータルバランスを考えて主役を引き立てるよう引き算を心がけることが大切ですよね。
もう一つはテーブルを囲む方が笑顔になることを意識しています。食べにくさや戸惑いを感じて緊張するのでなく、素直に楽しいな、嬉しいなと思っていただけるように心がけています。
テーブルコーディネートは敷居が高いように思われることが多いですが、日常使いの食器を使った方がゲストも気が楽ですよね。それに使い慣れたうつわだと自分が作ったお料理もうつわ負けしないです。私も『シェフ』ではなく『主婦』ですから(笑)」
テーブルコーディネートには色々なものの準備が必要だと思っていましたが、日常に寄り添ったものだったんですね!
「そうですね、工夫次第で日常の食卓が素敵になります。例えばワイングラスを花器として使ったり、フローティングキャンドルを浮かべて食卓に置くだけでも素敵ですよね。お家にあるアイテムを決まった用途で使うだけではなく、いろいろなものに見立てて使うのもおすすめです。」
その方の工夫次第で、まずは手持ちのもので素敵なコーディネートができるんですね!忙しい日々の食卓でも実践できそうです。
「はじめからうつわを揃えてトータルコーディネートをしようとハードルをあげなくても大丈夫です。お庭の植物やお花屋さんで買ってきたお花一輪を飾ったり、季節のお箸置きや小物を取り入れたり…まずはそんなちょっとしたアイテムを加えることで普段の食卓をいつも以上に楽しでみましょう。
そして、ご自身がどんな食空間を目指したいかをある程度明確にしてから、お好みやこだわりに合わせたうつわ選びをすると失敗が少ないと思います。」
ー最後に、和田さんにとってテーブルコーディネートとはどんなものか教えてください。
「フランスの食評論家ブリア・サヴァランの言葉に『禽獣は喰らい、人間は食べる。教養ある人にして初めて食べ方を知る』というものがあります。私たち人間は単にお腹を満たすために食べるのではなく、食を楽しむことに特別な思いがあるのだと思います。
1日3回必ず訪れる食の時間。それをより豊かにするのが、テーブルコーディネートだと考えています。」
テーブルコーディネーター 和田三美子
杉並区内自宅でテーブルコーディネート教室を開く。
その他アイシングクッキーレッスンなどもリクエストに応じて開催。
☆テーブルコーディネーター
☆CPA認定チーズプロフェッショナル
☆JSA認定アイシングクッキー認定講師
☆中国政府公認中級中国茶藝師
テーブルウェアフェスティバル2017 入選
テーブルレシピ主催コーディネート・フェス 入選
いっしょに食べよう!2020 協会賞
いっしょに食べよう!2022 入選
少し前まで「プロが使うもの」と思われてきたスパイスですが、最近はご家庭で使う方も増えてきましたよね。手軽に活用する方法をスパイス料理家の山本由里子さんにお話をお聞きしました。何となく敷居の高さを感じていたスパイスは、実は手軽に素材の良さを引き出すことができる縁の下の力持ちのような存在でした。
ースパイスとは改めてどんなものか教えてください。
「いろんな人によって魅力や伝え方は違ってくると思いますが、私が一番大切にしていることは「素材の美味しさ引き出すための調味料のようなもの」ということです。スパイスは世界各国のお料理で使われており、フランスやインド、中東エリア、また日本にも柚子や山椒などの他の国にはないスパイスがあります。例えば日常生活で現地のお料理を作りたい時に、現地の食材や調味料がなくてもスパイスさえあればその味に近づけることができます。お料理の幅が広がり、日々の食卓も豊かになる食材です。」
ースパイスには身体に良い効果もあるとよく聞きますが、その魅力を教えて頂きたいです。
「スパイスによって効果は違いますが、中でも整腸作用があるものをお勧めしています。漢方などでお腹の調子を整える方法もありますが、香りがきついものも多いですよね。スパイスをお料理に取り入れることで、美味しくお腹の調子も整えることができます。スパイスにはデトックス作用などの女性に嬉しい効果もあるので、自分で効果を調べて取り入れると楽しいですよ!
また、スパイスを取り始めて、特にびっくりしたことは風邪を殆どひかなくなったことです。実は殆どのスパイスが免疫調整をしてくれる効果が期待できるんです。お料理を美味しくするために活用していたスパイスが、身体にもいい影響があると嬉しいですよね。」
スパイスはただただ料理のアクセントとしてしかイメージがなかったですが、整腸作用やデトックス作用もあるのは驚きでした。
ー山本さんのスパイスとの出会いを教えてください。
「私の両親がどちらも音楽家で、幼い頃から外食をする機会が多かったんです。街の立ち飲み居酒屋さんから高級レストランやバーまで付き添っていました。そこで美味しいと感じたお料理を大人になって思い返すと、スパイスが効いたお料理だったんです。例えばバーのチョコレートにスパイスが練り込んであったり、エスニック系のレストランに置いてある、スパイスが漬けてあるお酒を大人たちが炭酸で割って飲んでいるのも印象的でした。幼少期の記憶は不思議と鮮明で、以前食べたお料理を再現して食卓に出すとみんなが喜んでくれたことが楽しくて、今でもスパイスを活用したお料理を作っています。」
ー普段山本さんご自身はどんな活動をされていますか?
「普段はメーカーさんの商品を使ったレシピ開発をよく行っています。量販店に置いてあるレシピのリーフレットや、ホームページのレシピページに掲載して頂いています。また、企業さんからスパイス家庭料理のレッスン講師として呼んでいただくこともあります。その他、栄養価が高くて美容にも良い古代小麦(スペルト小麦)とスパイスを掛け合わせたレシピを開発して、量販店やライブ会場、レストランに提供するお仕事をしています。私が作るレシピはスパイスの香りをしっかりとさせるお料理というよりも、素材の味を引き立てる使い方をしているので、普段のご家庭での親しみのある味をより美味しく仕上げることができます。」
料理のプロとして、本当にさまざまな場面で活躍されているのですね!そんなプロの方が特に料理で使うお気に入りのスパイスはなんなのでしょうか。
ー山本さんが特によく使うスパイスを教えてください。
「よく使うスパイスは2つあります。
1つ目はカルダモンという「スパイスの女王」と呼ばれるスパイスです。他のスパイスに比べて高価ですが、エレガントな香りで少し入れるだけでお料理が格段に美味しくなります。例えばポークソテーを作る時に、カルダモンの実を潰して一緒にフライパンで焼くことで、とても良い香りがします。お塩だけで絶品になるのでお勧めです。夏の暑い日などはお肉を梅酒や梅ジュースにつけて、カルダモンで焼いても、さっぱりいただけます!」
「もう一つはコリアンダーというスパイスです。パクチーの種子の部分を乾燥させたものですが、パクチーの香りではなく柑橘系のような爽やかな香りがするのが特徴です。癖があまりないため、スパイス初心者の方にもお勧めです。よくパウダーで売っているので使い方も簡単です。お塩と混ぜて自家製スパイスソルトを作ってかけるなど、シンプルな使い方でも美味しくいただけます。揚げたてのポテトや天ぷらにかけると、夏にぴったりの爽やかな一品になりますし、浅漬けに使うとエスニックな印象になってお勧めですよ!身体にとっても嬉しい整腸作用もあるため、積極的に取り入れていただきたいスパイスです。」
想像するだけで非常に美味しそうなスパイスですね。
1種類のスパイスだけでもいろんな種類の料理に合いそうです。
「どんなお料理にもスパイスは合いますが、特に油で加熱する料理や直火料理で私はよく使います。スパイスはお米に合うものとよく合うので、豚の角煮などに入れても美味しいです。お花の形の八角や実山椒が相性抜群です。
また、ご飯のお供としては山椒の佃煮も爽やかでごはんが進みますよね!」
ースパイスってあまり売られているイメージがないのですが、山本さんは普段スパイスをどのようなところで購入されていますか?
知られていないだけでスパイスって意外と色々なところで売られているんですよ。私は用途に合わせてスパイスを買う場所を使い分けています。量が欲しい時には現地の方から入手しますし、お料理教室などより美味しいものを使いたい時はオーガニックのスパイス専門店があるのでそちらで購入します。特にスパイス専門店には調合師さんもいらっしゃるので、新しい組み合わせを見つけることができたりと勉強できます。また、ネットショップなどでは少量から販売されているので初心者の方にとって試しやすいですよね。
色々なところにスパイスがあるんですね!今度ネットなどでも意識して探してみます。ただ一つスパイスを購入して不安な点があります。
ー1度買って使い切ることができるイメージが湧かないのですが、日常へ簡単に取り入れる方法を教えて頂きたいです。
「スパイスを使うことを嫌厭してしまうきっかけの一つに、数回だけの使用で、その後使い切らずにキッチンで眠ってしまうことが挙げられると思います。スパイスは使い方がたくさんあるので、是非他のレシピでも試して欲しいです。スパイス料理を作ってみようと思ったら、まずはスパイスの基礎本を1冊制覇してみるのがお勧めです。教室に通ってみるのも仲間が増えて素敵ですよね。最初は耳掻き一杯くらいの少量からお料理に使ってみて、段々自己流で好みの量を見つけてみてください。いつものお食事がグンと美味しくなりますよ!」
少しずつスパイスを使って、いろんな場面でスパイスについて勉強し、徐々にスパイスに触れていくことが大事なのですね。
ー最後に山本さんにとってのスパイスはどんな存在か教えてください。
「私は「美味しい料理の幅を広げてくれる健康的な調味料」だと思っています。添加物も入っていないから安心ですし、普段の食卓を香りや味で華やげてくれる縁の下の力持ちのような存在です。インド料理や中華料理のようなぴりりとしたお料理にはスパイスを使うことが多いですが、敢えてスパイスをダイレクトに感じさせたくないお料理にも隠し味のような存在として是非使って頂きたいです。ほんの少し入れるだけでもほんのりお料理から爽やかな香りがして、素材の良さを引き出してくれます。オールマイティな調味料として楽しむ方が増えると嬉しいです。」
山本由里子
スパイス菓子「古代小麦と香辛料」とスパイス家庭料理教室「Delice Kitchen」を運営しながら、各メディアでのレシピ開発やイベントでのゲスト講師などもしている。5歳男の子の母でもある。
取得資格:JIAスパイスインストラクター、JSFCAスパイス香辛料ソムリエ、食品衛生責任者、他ライセンス多数
受賞歴:The World's Best Sake Pairing2^2021 5位入賞
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